ファクタリングの『手数料』の相場ってどのくらい?
どうしたらファクタリングの『手数料』を下げられるの?
ファクタリングを利用する際には「手数料」の仕組みを理解していないと、無駄なコストを支払うことになります。
難しいことはありません。基本的な仕組みを理解しておけば十分です。
この記事では、ファクタリングの手数料の仕組み・相場と、手数料を下げるための方法を解説します。
- ファクタリングの手数料の仕組み
- ファクタリング手数料の相場
- ファクタリング手数料を下げる方法
ファクタリングってどんなサービスなの?という方は、以下の記事をご覧ください。
そもそもファクタリングの『手数料』って何?
『ファクタリング』は入金前の「売掛金(売掛債権)」をファクタリング会社に買い取ってもらい、入金日よりも早く現金化する資金調達方法です。
もちろん、ファクタリング会社はただで売掛金を買い取ってくれるわけではありません。
買取対象となる売掛金は未入金なのですから、場合によっては売掛先が倒産して現金化できなくなることもあるのです。
こういったリスクをファクタリング会社が負担する代わりに、利用者が支払うコストがファクタリングの「手数料」です。
一般的に、ファクタリングの手数料は売掛金額に対する割合で示され、売掛金の売却額に対してこの割合を掛けたものが実際に負担するコストとなります。
たとえば売掛金100万円、手数料10%の場合は次のように計算できます。
100万円 ✕ 10% = 10万円
この場合、利用者がファクタリング会社に支払う手数料は10万円になります。
そして売掛金額から手数料をひいた残りの90万円が利用者が手にする資金です。
ファクタリングの『手数料』の相場を比較
ファクタリングの手数料の相場は契約方法によって、おおよそ以下の表のようになっています。
契約方法 | 手数料 |
---|---|
2社間ファクタリング | 5%~20% |
3社間ファクタリング | 1%〜10% |
このように、ファクタリングの手数料は2社間ファクタリングか3社間ファクタリングかで大きく相場が異なることがわかります。
さらに詳しい手数料の決定要因は、次の章で紹介します。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違いについては、以下の記事をご覧ください。
ファクタリングの『手数料』を決める7つの要因
ファクタリングの手数料は、ファクタリング会社が負うリスクの高さによって決まります。
ファクタリングの手数料を決める主な要因は以下の7つです。
- 2社間ファクタリングか3社間ファクタリングか
- どんな業種・業態向けの債権か
- 注文書か請求書か
- 売掛先の信用力
- ファクタリングの利用回数
- 売掛金の金額
- 利用者の人柄
①2社間ファクタリングか3社間ファクタリングか
まず手数料は「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」のどちらを利用するかで大きく異なります。
基本的には「2社間ファクタリング」のほうが手数料が高く、これは「2社間ファクタリング」のほうがファクタリング会社側のリスクが大きいためです。
なら「3社間ファクタリング」を選べば良いのでは?
ここは意外と難しいところです。
「3社間ファクタリング」は手数料は安めですが、契約に際して取引先の承諾が必要となります。
最近ではファクタリングの知名度も高まり、利用者も増えていますが、いまだにファクタリングに対する悪いイメージを持っている方は少なくありません。
そのため取引先にファクタリングの利用を知られると、以後の取引に影響がでる可能性があり、安易な選択はできないのです。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違いについては、以下の記事をご覧ください。
②どんな業種・業態向けの債権か
たとえば医療関係の債権(診療報酬債権や介護報酬債権)は、国が債務者になるため回収が確実に見込めることから手数料が安くなる傾向があります。
また、建設業向けの債権は建設業振興基金による債務保証が受けられることから、手数料は安くなりやすいです。
建設業向けのファクタリングについては、以下の記事をご覧ください。
③注文書か請求書か
一般的にファクタリングで買取対象となる債権は仕事を完了した後に発行される「請求書」です。
「注文書ファクタリング」は、仕事を受注した際に発行される「注文書」をファクタリング会社に売却して資金調達ができるサービスです。
注文書ファクタリングを利用すれば、仕事に必要な資材や人員の確保のための資金を仕事を受注した時点で調達できます。
入金サイクルの短縮効果が最大6ヶ月ほどと、資金繰りの改善に大いに役立ちますが、ファクタリング会社からすると長期の債券は未回収リスクが高くなるため、手数料は高くなる傾向があります。
『注文書ファクタリング』については、以下の記事をご覧ください。
④売掛先の信用力
ファクタリング会社にとっては、売掛先から予定通り売掛金を回収できるかどうかが最大の関心事です。
そのため、ファクタリングの審査では売掛先の経営状況が最重要視されます。
基本的には売掛先の信用が高いほど手数料は低くなりますので、大手企業や公的機関の売掛金のほうが有利です。
ファクタリングの「審査」については、以下の記事をご覧ください。
⑤ファクタリングの利用回数
初めてファクタリングを利用する方よりも「きちんと売掛金の回収ができた」という実績が多くある方のほうが信用力は高くなり、手数料は安くなります。
⑥売掛金の金額
基本的には売掛金の金額が高額になるほど、手数料は低くなりやすい傾向にあります。
これはファクタリング会社にとって高額案件のほうが効率的に稼げるためです。
ただし売掛先の信用が低い場合は、売掛金が高額であるほどファクタリング会社が背負うリスクが高くなります。
そういった場合はかえって手数料が高額になったり、審査で買取NGとなることもあります。
⑦利用者の人柄
意外かもしれませんが、実は利用者の人柄は非常に重要な審査ポイントです。
ファクタリング会社は、思っている以上に利用者の人柄や信用を厳しくチェックします。
ファクタリングは貸金ではないため保証人・担保を取りません。
つまりファクタリング会社は、何の保証もない状態で資金を提供することになるわけです。
そこで重要なのが「この人は、きちんと売掛金を回収して、支払いを行ってくれるか」どうかです。
身だしなみや言葉遣いなど、ビジネスの場で当たり前のことを気にするだけで、意外なほど大きな差がでます。
ファクタリングの『手数料』を安くするには?
ファクタリングの手数料の仕組みがわかったところで、実際に利用者が手数料を下げるためにできる工夫を4つ紹介します。
- 手数料の安いファクタリング会社を選ぶ
- 相見積もりを取る
- 取引先の信用力を示す証拠をそろえる
- 粘り強く交渉する
手数料の安いファクタリング会社を選ぶ
まず第一にファクタリング会社選びが大切です。
ファクタリング会社によってサービスの特徴はさまざまで、手数料の安さを追求した業者もあれば、スピードにこだわる会社もあります。
また、最近ではオンラインで完結するサービス(オンラインファクタリング)を提供しているファクタリング会社も増えてきました。
オンラインファクタリングでは、ファクタリング会社側の人的コストも削減できることから、対面のサービスに比べて手数料がリーズナブルな傾向があります。
「オンライン完結」で資金調達したい方は、以下の記事もご覧ください。
相見積もりを取る
ファクタリング利用時は相見積もりを取るのが鉄則です。
他社との競合をほのめかすだけでも、手数料交渉が有利に進む可能性が高くなります。
とはいえ、急いで資金調達したいときに何社も相見積りを取るのは大変ですよね。
そんなときに便利なのが「ファクタリング会社の一括見積りサービス」です。
これは一度の問い合わせで複数のファクタリング会社から見積もりを受け取れるもので、イメージとしては引っ越し業者の一括見積もりサービスのようなものです。
手軽に相見積もりが取れるだけでなく、提携するファクタリング会社は優良企業に限定されているので、安心して利用できます。
売掛先の信用力を示す証拠をそろえる
売掛先の信用が高いほど手数料は低くなります。
少しでも手数料を抑えたいのであれば、売掛先の信用力を証明できる証拠書類を用意しましょう。
たとえば以下のようなものです。
- 商工リサーチなどのデータベースの情報
- 過去の請求書や入金履歴
- その他、取引実績を示す書類
粘り強く交渉する
最終的にどの程度の手数料で契約できるかは、交渉次第な部分があります。
自社の状況にあったファクタリング会社をみつけ、粘り強く交渉することが大切です。
ファクタリング『手数料』の注意点
ここでは、ファクタリングの手数料について注意したいポイントを解説します。
- 手数料の内訳は必ず確認する
- 手数料以外のコストを確認する
- 消費税は含まれない
- 実質の手数料を比較する
手数料の内訳は必ず確認する
ファクタリングの手数料は、その構造もやや複雑です。
ですが、優良業者は手数料の内訳をわかりやすく説明してくれます。
逆に悪質な業者は曖昧な名目の手数料を忍ばせてくることがあります。
疑問点は遠慮なく質問し、納得いく説明がなければ契約は中止しましょう。
手数料以外のコストを確認する
ファクタリングでは、手数料以外に以下のようなコストが発生することがあります。
審査手数料・事務手数料 | 0円~5,000円 |
印紙代(契約書貼付) | 契約金額に応じて200円~20万円(5万円未満は非課税) |
債権譲渡登記費用 (2社間ファクタリングのみ) | 50,000円~80,000円 |
上記以外にも、『債権譲渡登記』を司法書士に依頼する場合には、司法書士への報酬も必要になります。
「債権譲渡登記」については、以下の記事をご覧ください。
このようなコストが手数料とは別に要求されないか、契約前に必ず確認しましょう。
消費税は含まれない
消費税法施行令では、売掛金は有価証券として扱われます。
そして有価証券の譲渡は非課税取引となります。
よって、売掛金の譲渡は非課税取引です。
そのためファクタリング会社は消費税を上乗せして請求することはできません。
手数料の内訳に消費税が含まれているようであれば、きちんとした説明を求めてください。
実質の手数料を比較する
見かけ上の手数料が安いと思って契約をしたら、実は別途「○○手数料」がかかって、結果的に高額の手数料を取られてしまった、ということもあります。
手数料は、すべての項目が加算された実質の手数料を比較しましょう。
まとめ
この記事では「ファクタリングの『手数料』相場・仕組みとコスト削減4つの方法を解説」を解説しました。
- ファクタリングの手数料を決める要因は以下の7つ
- 2社間ファクタリングか3社間ファクタリングか
- どんな業種・業態向けの債権か
- 注文書か請求書か
- 売掛先の信用力
- ファクタリングの利用回数
- 売掛金の金額
- 利用者の人柄
- ファクタリングの手数料を下げる具体的な方法は以下の4つ
- 手数料の安いファクタリング会社を選ぶ
- 相見積もりを取る
- 取引先の信用力を示す証拠をそろえる
- 粘り強く交渉する
ファクタリングは便利な資金調達手段ですが、漫然と利用を繰り返していると、積み上がった手数料で資金繰りがさらに悪化することになります。
どうしてもファクタリングを利用せざるをえないときは、手数料が低く、信頼のおけるファクタリング会社を選ぶようにしましょう。
また、これまでに示した方法を試しても手数料が10%以上になってしまう場合は、以下の記事で紹介する「手数料が定率のファクタリング会社」の利用も検討してみてください。
一律10%前後の手数料で利用できるので、場合によっては手数料を大幅に抑えられます。
ぜひ、この記事の内容を理解して満足のいくファクタリング取引を成功させてください。