『給料ファクタリング』ってどんなサービスなの?
『給料ファクタリング』って利用しても大丈夫なの?
ここ最近、個人向けファクタリングを語る『給料ファクタリング』と呼ばれるサービスが問題になっています。
金融機関からお金を借りることに抵抗を感じ、給料ファクタリングを利用したことがある、または利用したいと考えている人も多いでしょう。
給料ファクタリングは融資ではないという立て付けにはなっていますが、高額な手数料取られることが大問題です。
ではこの給料ファクタリングとは、一体どのような仕組みなのでしょうか?
また、すべての給料ファクタリングは違法なのでしょうか?
この記事では、給料ファクタリングについてわかりやすく説明しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
- 給料ファクタリングとは、どんなサービスなのか?
- 給料ファクタリングの問題点は?
- 給料ファクタリングを使っても大丈夫なの?
ファクタリングってどんなサービスなの?という方は、以下の記事をご覧ください。
『給料ファクタリング』は会社から受け取る予定の給料を「前借り」できる仕組み
『給料ファクタリング』とは、会社から受け取る予定の給料を「給料債権」と称して売買することにより、「給料の前借り」ができる仕組みです。
一般的に「ファクタリング」とは、企業や個人事業主が取引先に発行した請求書(売掛金・売掛債権)をファクタリング会社に売却することで、支払期日前に現金を手に入れる取引となっています。
手数料はかかりますが、借入に頼らず早めに現金が手に入ることのメリットも大きいため、利用する事業主は多くなっているんです。
同じように、個人であっても早めに現金を手にしたいという要求はでてくるものです。
ですが、会社員は売掛金をもっていませんよね?
そのため、売掛金の変わりに会社から受け取る予定の給料を利用して、ファクタリングのように、現金の前借りをする仕組みが「給料ファクタリング」というわけです。
『給料ファクタリング』の仕組み
一般的なファクタリングと同じく、給料ファクタリングも次の2つの仕組みがあります。
- 3者間ファクタリング
- 2者間ファクタリング
では、それぞれの仕組みを簡単に紹介します。
3者間ファクタリングとは?
「3者間ファクタリング」とは次の3者間で行われるファクタリングです。
- ファクタリング利用者
- ファクタリング会社(給料ファクタリング業者)
- 勤務先
まず、ファクタリング利用者はファクタリング会社に申し込みをします。
その後、利用者は、勤務先に給料ファクタリングの利用をする旨を伝えなければなりません(①、②)。
そして、給料を受け取る権利である給料債権を給料ファクタリング業者に譲渡(売却)します(③)。
申し込みを受けた給料ファクタリング業者は、審査を行い、審査基準に基づいたお金を利用者に渡します(④)。
最後に、勤務先から給料ファクタリング業者に給料分のお金が支払われ(⑤)取引は終了です。
「3社間ファクタリング」については、以下の記事をご覧ください。
2者間ファクタリングとは?
では、2者間で行われる給料ファクタリングとはどのようなものでしょうか?
「2者間ファクタリング」の登場人物は、次の2者のみとなります。
- ファクタリング利用者
- ファクタリング会社(給料ファクタリング業者)
ファクタリング利用者は、給料ファクタリング業者に給料債権を売却(①)し、審査に基づいたお金を受け取ります(②)。
この際、勤務先への通知は不要です。
また、回収の仕方も異なります。
給料は通常通りファクタリング利用者の元に入るので、給料が入った段階で給料ファクタリング業者へ支払いが必要です。
以上が、給料ファクタリングの仕組みになります。
仕組みだけを見れば特に問題なさそうに思えますが、なぜ給料ファクタリングは社会的な問題になっているのでしょうか?
なぜ給料ファクタリングが利用されるのか?
ここでは、給料ファクタリングの問題点を見る前に、なぜ給料ファクタリングの利用が広がっているのかを見ていきましょう。
これには、次の4つの理由が考えられます。
- 個人でも簡単に資金調達できる
- 審査が甘い
- 収入減少を補うため
- 勤務先に知られずに利用できる
個人でも簡単に資金調達できる
SNSやインターネットなどを見れば、給料ファクタリング業者の情報は誰でも入手できます。
これにより、個人でも簡単に業者を介して資金調達ができるようになったのです。
審査が甘い
貸金業を営む場合、主たる営業所の所在地を管轄する財務局長・都道府県知事の登録が必要です。
しかし、給料ファクタリング業者は、無登録で貸金業を営む業者も多いのが現状です。
こういった業者の審査は甘いことが多く、ほとんど審査なしの状態で利用できてしまうという問題があります。
収入減少を補うため
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、多くの家庭が収入減少という問題に直面しています。
これにより生活費や学費に困窮した人が、急場をしのぐために給料ファクタリングを利用するケースが増えています。
勤務先に知られずに利用できる
上で紹介したように、2者間ファクタリングならば、給料ファクタリングの利用を勤務先に知られることはありません。
これも、給料ファクタリングを気軽に利用してしまう原因の一つです。
給料ファクタリングの問題点
ではなぜ給料ファクタリングが問題かというと、その主たる理由は給料ファクタリングの手数料が一般的に非常に高額だという点にあります。
1ヵ月で20%以上の手数料が取られることもあります。
1ヵ月に20%の手数料とは、1年間に直すと年利240%の手数料と言うことです。
ちなみに、現在の利息制限法の最大の利率は年率20%になります。
つまり、多くの給料ファクタリング業者は、利息制限法の上限を遥かに超えた手数料を徴収しているのです。
給料ファクタリングを使い続けてしまったら、あっという間に資金繰りに困る事は明白です。
金融庁はこの事態を問題視し、給料ファクタリングの利用に警報を鳴らしています。
給料ファクタリングは違法なのか?
しかし、難しいところが、給料ファクタリングは確実に違法であるとはいえないところです。
なぜなら、一部の給料ファクタリング業者は正当に営業をしていますし、「給料ファクタリングは融資ではない」というロジックが通じなくはないところがあるからです。
このような状況にあるため、給料ファクタリングは明確に違法とはいえないのです。
ただし、給料ファクタリングは貸金業法の貸付にあたるという判決を最高裁が下していますので、今後、取締が厳しくなる可能性はあります。
では、違法業者を見抜く方法にはどのような手段があるのでしょうか?
給料ファクタリングの違法業者の見抜き方
給料ファクタリングの違法業者の見抜き方には次のようなポイントがあります。
- 手数料が高額すぎないか?
- 契約内容をきちんと説明してくれるか?
- 契約書はあるか?
一番のポイントはやはり手数料でしょう。
給料ファクタリングの手数料は、給料ファクタリング業者によって異なります。
一般的には、手数料15~20%を提示している業者は優良業者といえるでしょう。
中には、年利換算で数百~千パーセントを超える高額な手数料を要求する業者もありますので、契約前にしっかりと確認が必要です。
手数料があまりにも高額すぎると、それは違法業者の可能性が高くなります。
また、契約内容をしっかり説明しなかったり、契約書がない場合も違法業者の可能性が高いです。
できることなら使うべきではない給料ファクタリングですが、給料の前払いを受けることができ、個人信用情報を傷つけないメリットもあります。
どうしても、給料ファクタリングを使わざる得ない場合は、せめて違法業者には引っかからないようにしてください。
まとめ
今回は、給料ファクタリングについて詳しく説明をしました。
- 給料ファクタリングは、給料を担保とした個人向けのファクタリングサービス
- 給料ファクタリングには、2者間と3者間の取引形態がある
- 給料ファクタリングは、高額な手数料がかかることが多い
- 給料ファクタリングは利用しない方がいい