資金繰りとは?

【資金繰りとは?】

資金繰り」とはお金の残高を管理することです。お金を管理するためには、「資金繰り表」を作ることが一番の解決策です。

本記事では「資金繰りとは?」について解説します。

資金繰りとは?

【資金繰り】

資金繰りとは資金の残高管理

資金繰りとは、事業で使えるお金(=資金)の残高を管理することを意味しています

資金が足りなければ

  • 仕入れができず販売する商品がなくなる
  • 商品の製造ができなくなる
  • 人件費をはらえない=人を雇えない

などの問題が発生し、さらに経営が苦しくなります。最悪の場合は倒産に至ることになるでしょう。

そもそも「資金」とは?

資金は、事業を運営していくためにすぐに使用できる現金・預金といった「手元にあるお金」です。

具体的には、現金、当座預金、普通預金、通知預金、定期預金、譲渡性預金、コマーシャル・ペーパー、売戻し条件付現先、公社債投資信託など、すぐに支払いに利用できるもののことです。

定期預金、貸付金、売掛金などは、すぐに支払いに利用できないので、こちらは「資産」になります。不動産や設備も、現金化されるには時間がかかりますので、資産に該当します。

資金と利益は違う

注意が必要なのは、売上があったとしても、その支払を受けていない状態(売掛金)では、資金にはならないということです。

ここを勘違いしている経営者の方は多くいらっしゃいます。

たとえば、4月に売上が発生すれば、帳簿上は売上と利益が計上されます。しかし、実際の入金は6月であれば、資金は増えていません(売掛金という資産が増えた状態です)。

この状態で5月に支払いが発生すると、会社は帳簿上で利益を上げていても資金が枯渇してしまうという状態に陥る可能性があるのです(黒字倒産)。

なぜ資金繰りは悪化するのか?

【資金繰り】

①資金繰りを把握していない

最大の原因はこれです。

日頃から資金繰り表で管理していれば、問題が発生しそうな兆候を予期して対応できます。

②赤字の状態が継続している

もう一つの大きな原因は、赤字の状態が継続することです。

売上が大きく減少すると、売上に連動していない固定費の支払いで資金が流出するようになります。

③売上回収と支払いサイトのバランスが悪い

一般に、BtoBの取引では信用取引を利用することが多いでしょう。信用取引は、要するに「後払い」の仕組みです。

そのため、たとえば売上を回収するまでの期間が2ヶ月(60日)、仕入れ等にかかった費用を支払うまでの期間が1ヶ月(30日)だとすると、売上が上がるたびに資金繰りが悪化することになります。

この問題は、一朝一夕で解決できるものではありません。日頃から取引先との信頼関係を築いて、入金までの期間を短くするように、粘り強く交渉することが必要です。

④売上の急増

売上は、上がれば良いことというわけではありません。

上述したように、売上が入金するまでの期間と支払いの期間が大きくずれていれば、売上が入金するまでの間のコストをまかないきれずに、資金が枯渇することになります。

大口の注文をうけたときには、銀行融資を受けたり、前金で支払いを受けたりする必要があります

それでも難しいときは、受注しないという選択が必要です。目先の利益につられないためにも、資金繰りをしっかり把握しておきたいものです。

⑤銀行との取引の失敗

資金調達の基本は銀行融資でしょう。

しかし、財務状況が悪い状態では融資を受けられなかったり、急な返済をせまられたりするなど、取引がうまくいかなくなることもあります。

こういった問題を回避するためには、返済を滞らせないこと、融資の際の事業計画を慎重かつ具体的に作成することが必要です。

また、資金繰りの悪化兆候が見られたら、とにかく早期に銀行に返済猶予の相談をすることです。新規の借入はできなくなりますが、資金の枯渇を防ぐことができます。

資金繰り改善のための7つのチェックポイント

【チェックポイント】

資金繰りを改善するための手段を7つ紹介します。

①手元資金を知る

なによりもはじめに行う必要があるのが、事業で使える資金を把握することです。

そのためには、以下の2点を知っておきましょう。

  • 手元資金(現金・預金)
  • 毎月出ていくお金/入ってくるお金

そんなの当たり前だろう?と思うかもしれませんが、案外これができていないケースも多いのです。

結果として無駄なお金を使っていたり、適切な投資タイミングを逃していたりという可能性がでてきます。

②資産を資金化する

たとえば売掛債権(売掛金)があれば、それを回収するだけで資金は獲得できます。

  • 日頃から、売掛金の回収を厳格に行う
  • 支払いサイトを短くしてもらう

といったことが資金繰り改善に繋がります。

また、余剰在庫や固定資産を売却することで資金を得ることができます。これらは、管理のためにコストがかかっている場合がほとんどなので、処分することで無駄なコストを削減できる効果もあります。

③資金繰り表を作成する

①②で資金をざっくり把握したら、より詳しく資金とお金の流れを把握するために「資金繰り表」を作成しましょう。

資金繰り表は単純に、現在のお金の状況がわかるだけでなく、将来のお金の流れを予測することにも活用できます。

また、資金調達時の審査でも利用できる資料になりますので、万が一にそなえて作っておくことが必要です。

④銀行融資を受ける

銀行融資を受けることは、資金調達のもっともメジャーな方法です。資金調達をすれば、資金繰りに余裕がでます。

もちろん、融資はあくまで借り物です。返済も必要ですし、金利も発生します。しかし、きちんと計画をたてて利用すれば、問題はありません。

個人事業主の場合、なかなか融資を受けることは難しいのが現実です。

しかし、資金繰りをきちんと管理し、事業計画を固めて望めば可能性はゼロではありません。

⑤補助金・助成金の活用

新型コロナウイルス感染症関連で、多数の補助金・助成金が利用できるようになっています。

それ以外にも、自治体や各種団体が行う補助金等を活用できるケースも多くあります。

⑥費用の見直しをする

いわゆる「コスト削減」です。

特に重要なのが固定費の削減です。毎月定期的に出ていくお金に無駄はありませんか?使っていないのにお金を支払っているものがあれば、それを無くすだけで、かなりの資金繰り改善効果が見込めます。

⑦法人化する

個人事業主であれば、法人化をすることで銀行融資や補助金、助成金を受けられる可能性が大きく上昇します。

また、利益額によっては税金上でもメリットが発生することもあります。

法人化というと難しそうに思うかもしれませんが、会社法の改正で非常に会社を作りやすくなっています。

資金繰り表4つのチェックポイント

【チェックポイント】

資金繰り表は作っただけでは価値が半減です。資金繰りを健全に保つために資金繰り表のどこをチェックするべきか解説します。

なお、資金繰り表の作り方は、以下のサイトが詳しいので、ぜひ参考にしてみてください。

資金繰り表の作り方(基礎編) | Manage labo

経営をしていく上で、切っても切り離せないのが資金繰りの管理です。資金繰りを管理するためにポイントとなるのが資金繰り表の作…

①資金繰り表の構成に不足はないか?

資金繰り表は、大きく3つから構成されています。

  • 経常収支
  • 経常外収支
  • 財務収支

まずはこれらが把握できているかをチェックしましょう。

②経常収支はプラスか?

資金繰り表ができたら、チェックしておくポイントの一つが「経常収支」です。

経常収支とは、事業で得たお金のことです。これがプラスなら事業は利益をあげられていると判断できます。

ただし、単月だけでみるとマイナスであっても年間でみるとプラスになることもあるので、長期的にチェックし続ける必要があります。

③数カ月先の現金・預金を確認

資金繰り表には、「繰越現金」「当座預金」も記載されます。

要するに、すぐに使える現金の残高が数ヶ月先まで確認できるということになります。

これらがマイナスになっていれば、事業で使えるお金に余裕がないということです。早急に資金調達が必要な状況といえます。

④借入金の返済はできるか?

お金を借りることは、事業を行っていく上で当たり前に発生することです。問題は、きちんと返済ができるかにあります。

このお金を借りる、返すという一連の取引の結果を表しているのが「財務収支」です。

上述した「経常収支」から「財務収支」を引いた結果がマイナスであれば、事業活動で得た資金で借入金の返済ができないということを表しています。

こうなると預金を切り崩して返済をしていくことになり、徐々に事業の資金が減っていくという状態になります。

まとめ

本記事では「資金繰りとは?」について解説しました。

事業を安定経営しつづけるためには、つねに資金状況を把握している必要があります。そのためには資金繰り表を作成することが効果的です。